国鉄色の381系やくもが期間限定で運用されています。
JR西日本の粋な計らい?で企画された胸アツの国鉄色車両やくも。
2022年現在、伯備線を走る特急やくも号は全車両381系で構成され、その所属は後藤総合車両所出雲支社(島根県出雲市)所属となっています。
その編成は1980年代に製造された鉄道ファンなら涙もので、古きよき時代の名残を感じることができる数少ない列車。
そこで381系の国鉄色をまとったやくもの基本編成、そして2024年春で引退となるやくもの絶好の撮影地をご紹介します。
『381系やくも』国鉄色の基本編成
国鉄色の381系やくもの基本編成は4両編成で、特急やくもは2022年3月現在1日15往復で運用されています。
このうち、国鉄色での運用は
やくも8号、9号、24号、25号。
そして今回国鉄色へ復活を遂げた編成はそれぞれ、
←出雲市 →岡山
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
◇ ◇ | ◇ ◇ | ||||
クロ381 | モハ380 | モハ381 | サハ381 | モハ380 | クモハ381 |
141 | 71 | 71 | 231 | 66 | 507 |
1982年製造 | 1982年製造 | 1982年製造 | 1982年製造 | 1981年製造 | 1981年製造 |
の編成となっています。
※繁忙期には6または7両。検査等により編成変更される場合もあります
『381系やくも』国鉄色の特急編成は伯備線ならではの理由!
381系の特徴
381系の大きな特徴は振り子機構を備えた車両であるということ。
伯備線を走る特急車両にはこの381系が充当されています。
特急車両であれば他の新型車両もあるにもかかわらず、なぜ伯備線には381系が必要なのでしょうか。
それには伯備線の路線の地形が大きく関わってきます。
伯備線は岡山県の倉敷市から鳥取県米子市を結ぶ路線で、高梁川と日野川に沿って走る路線です。
蛇行のあるこれらの川に沿って路線が設置されているため当然カーブの多い路線になります。
カーブが多いという事は、当然その区間は速度を落として走行しなければ最悪脱線の可能性もあります。
伯備線は特急やくもとこの曲線だらけの地形をどう上手く融合させるのかを徹底的に追及された路線なんです。
特急やくもを伯備線に通す国鉄の凄み!
かつては伯備線を国鉄色のやくもが往来することは至極当たり前でしたが、今となっては大変貴重な光景になっています。
そんな381系やくもが高梁川や日野川に沿って走行するためには、国鉄時代の知恵と技の結晶が詰まっています。
高梁川や日野川に限らず、
川沿いであることは「カーブが多い」ということ。
電車はカーブに入ると当然ゆっくり進みますよね。
でもそんな調子じゃ終点に着くのはいつのことやら…。
じゃあ、
「カーブを無くしてトンネルを掘りそこに新たに線路を設置すればいいじゃないか」
「山陽新幹線だってトンネルばっかりだぜ?」
とカーブが多いのであればカーブを無くせばいいといった至極当然の疑問も。
しかし、この方法となると莫大な費用と時間が必要です。
もともと海外で使用されていた振り子式車両。日本の緩急険しい環境下でカーブの多い路線を速度を落とさず、しかも乗り心地良く走行するにはどうしたらよいのか・・・。
そこで生まれたのが車両自体を傾けて走行する車体傾斜車両というものです。
381系に使われているのは自然振り子式。
この振り子機構によってカーブの多い区間を速度を落とさずしかも乗り心地を損なう事なく走行する事ができるのです。
いにしえの時代から伯備線などカーブの多い路線に対応した車両を作っていたことは、鉄オタとしては国鉄にリスペクトしかありません。
『381系やくも』のおすすめ撮影地 細かな場所
撮影地①(根雨駅〜黒坂駅)
場所:鳥取県日野郡日野町
おすすめポイント:伯備線の特徴である曲線区間を381系の最大の特徴である振り子機構で車体を傾けながら力強く疾走するやくもを撮影することができます。
撮影地②・③(備中川面駅〜方谷駅)
場所:岡山県高梁市高倉町
おすすめポイント:今回ご紹介する撮影地の中でも駅からも近く、備中川面駅から徒歩の移動であっても比較的容易に行く事ができる場所であるといえます。
撮影地④(足立駅〜新郷駅)
場所:岡山県新見市
おすすめポイント:山間部を駆け抜ける381系を撮影することができ、季節ごとによって異なる風景をみせてくれる場所です。
撮影地⑤
場所:鳥取県日野郡日野町
おすすめポイント:通称「ネウクロ」と呼ばれ伯備線撮影地の中でも最も有名な場所のひとつであるといえるでしょう。
381系やくもが走る伯備線は山間を走る路線のため1年を通して様々な風景を見る事ができるとても楽しい路線であるといえるでしょう。
381系やくもの撮影地の詳細はこちら。
まとめ
さて、ここまで伯備線と381系の紹介を長々書きましたが、その381系も登場から早30年近く経過しました。
鉄道車両の寿命はその用途によって異なりますが、特急車両の場合は約30年であると一般的にいわれています。
一昔前は全国各地で見る事ができた国鉄型電車特急ですが、今や定期運用のある381系やくものみとなってしまい、その381系も2024年に新型車両登場により引退宣言がなされました。
2024年のダイヤ改正で全ての381系が置き換わるのか、順次置き換わるのか今後の動向が気になる所ですが、日本最後の国鉄電車型特急を見る事ができるもあとわずかであるといえるでしょう、
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