福島県の会津若松と新潟県の只見を結ぶ只見線、豪雨災害により一部区間不通となっていましたが2022年10月1日、ついに全線復帰となりました。
只見線は全国のローカル線の中でも特に景色の良い路線であり、特に只見川第一橋梁からの景色はまさに絶景であるといわれて日本だけでなく世界的にも有名です。
一方只見線は車窓からの絶景を楽しむため、座席は山側か海側のどっちに座るのか迷われる方も多いかと思います。
また、沿線周辺には多くの観光スポットもあります。
さらに沿線周辺には多くの撮影スポットが存在し、他県からの鉄道ファンも多数訪れています。
そのため今回は只見駅観光での時間のつぶし方や只見線の撮影スポットも含め、只見線と沿線の魅力について説明していきます。
只見線で景色がいいのはどっち?
鉄道に乗り車窓の景色を楽しむ場合、乗る座席は山側にするか海側にするか、これで悩む方は多いと思います。
私自身初めて乗る路線に関してはどっちを選択するか、この問題でいつも悩んでいます。
只見線の列車に乗車するとき
本心をいいますと只見線は往路は山側、復路は海側というように両方の景色をどっちも見て、より只見線の素晴らしさを感じてほしい所ではあります。
しかし、時間の制約上それが難しい場合もあるでしょう。
もし、会津若松発会津川口方面行きの列車に乗る場合には進行方向左側の席に座る事をおすすめします。
特に会津桧原~会津西方間にある「只見川第一橋梁」から見た只見川と周囲の風景はまさに絶景であるといえます。
また、沿線上の撮影スポットでカメラを構えた鉄道ファンも多く見る事ができます。
2011年の豪雨災害の前はトロッコ列車や臨時列車等の観光列車が走っていましたが、その後運行していませんでした。
しかし2022年「只見線全線開通50周年記念」として、秋の観光列車の『トロッコ列車「風っこ号」』が復活。
只見線の列車を撮影するとき
鉄道写真を撮る場合、特に「お立ち台」と呼ばれている撮影地は撮る画角というのはだいたい決まっています。
しかし只見線の絶景を撮影する場合、「どっちから撮るのか」、これでも迷う方も多いでしょう。
只見線は只見川に沿って走行しているため川岸の両側から撮影する事ができます。
只見線で最も人気のある第一只見川橋梁も、橋の両側から撮影する事ができますので特に悩ましいでしょう。
また、第二、第三、第四橋梁ともに様々な画角から撮影する事ができます。
只見線の詳しい撮影地に関してはこの後また説明します。
只見線の絶景の時期
只見線は特に全国のローカル線の中でも1年を通して緑の田園風景や只見川の川霧、奥只見の紅葉、雪景色など季節によって様々な絶景を見る事ができる路線です。
只見線の絶景の具体的な時期がいつなのか気になるところですが、昨今の気象状況から正確な時期を特定するのは年々難しくなっているような気がします。
そのため今回紹介する時期に関しても、あくまで目安程度であるという事をご理解下さい。
【只見線の絶景】新緑の見ごろ
只見線は、会津若松から終点の小出までと路線範囲は広く季節の見頃はそれぞれの地域で違うため一概にはいえませんが、新緑の時期は
おおよそ4月下旬~5月頃
であるといえます。
【只見線の絶景】川霧の見ごろ
只見線を撮影した写真の中に霧のようなものが一緒に写っている写真を目にする事があるでしょう。
これは「川霧」というもので、特に只見線沿線の川霧は全国的にも絶景として有名です。
川霧は、只見川の上流にある田子倉ダムからの放水や気温の差など幾つかの条件が揃った時のみ見る事ができる珍しい現象です。
川霧が多く見る事ができるのは6月~8月頃であるといわれています。
しかし、川霧が濃すぎるとせっかく撮影スポットに着いたのに鉄道が見えなくなることもあるので注意が必要であるといえます。
【只見線の絶景】紅葉の見ごろ
只見線の紅葉の時期はとして、沿線の見頃は
おおよそ10月中旬頃~11月中旬
であるといえます。
特に撮影スポットとして有名な只見川第一橋梁からみた紅葉は絶景であるといえます。
【只見線の絶景】雪景色の見ごろ
只見線は福島県、新潟県と日本有数の豪雪地帯を結んでおり、冬の時期は他の季節とは異なりまた違った絶景を見る事ができます。
冬の時期は除雪のため雪は線路脇に積まれ、まるで地層のように段々重なっており豪雪地帯の過酷さについても垣間見ることができます。
また、雪景色の撮影スポットには山も多いため行く際は、スリップや転倒には十二分に注意を。
只見駅での観光や時間のつぶし方
只見線復旧後は会津若松~小出間の直通列車も設定が復活しています。
しかし、只見線の紹介なのに「只見」の話をしないのも失礼な話でありますので、只見について簡単な説明や只見駅周辺の観光やグルメ、楽しみ方についても紹介します。
只見の語源について
そもそも只見川の「只見」という語源は何なのでしょうか。
これは諸説ありますが、9世紀頃弘法大師が仏教を全国に布教するため会津地方を訪れた折、川ばかり見て歩いたことから、「ただ見る川」すなわち「只見川」となったという話があります。
只見駅周辺の観光スポット
只見駅の周辺には、素朴でありながら
ただみ・ブナと川のミュージアム
只見駅周辺の観光スポットとしてまずご紹介したいのが、「ただみ・ブナと川のミュージアム」です。
この施設は東北地方ではじめてユネスコエコパークに登録された施設で、主に只見地域の自然に関する資料や雪国の暮らしに使われている物等が展示されています。
時間つぶしなんてとんでもない話で、豪雪地帯で生き抜いていく上での様々な工夫についても知る事ができる充実した観光スポットです。
住所 | 〒968‐0421 福島県南会津郡只見町大字只見字町下2590 |
営業時間 | 9時~17時(最終受付は16時まで) |
休館日 | 火曜日(祝祭日の場合は翌平日)、年末年始 |
料金 | 高校生以上310円、中学生・小学生210円 |
レンタサイクル
只見駅から「ただみ・ブナと川のミュージアム」までは徒歩で約20分かかります。
そのため、只見駅構内にある「只見町インフォメーションセンター」でレンタサイクルを借りての移動すればスムーズです。
ただし只見駅周辺にはお店も少ないため、食料や水分の調達には難渋されるかもしれません。
そのため、水分に関しては駅構内にある自動販売機での購入をおすすめします。
現代においても、地域によってはお店も少ない場所も多々あるかと思います。
マップにはお店が表示されていても、実際に行ってみると閉まっているという事もあります。
特に個人商店は夕方の早い時間に閉まってしまうケースも。
そのため脱水予防のためにも、駅を出る前には念のため水分を調達をお忘れなく。
とはいえ、只見駅にはフリーwifiが設置されているので駅周辺の通信環境は比較的良好であるといえます。
何か検索が必要になったり、連絡をしなければならないという場合は心配ありません。(充電器は必須ですが!)
和風レストランまほろば
食事に関しては、只見駅から徒歩5分のところにある「和風レストランまほろば」をお勧めします。
ここは定食や蕎麦、かつ重など様々なメニューがありますが、個人的におすすめなのは名物である「ソース煮込みかつ重」です。
最初はソースとかつ重が果たして合うのか疑問でしたが食べてみると、これがまぁ美味しかったです。
住所 | 〒 968-0421 福島県南会津郡只見町大字只見字宮前1303-7 |
営業時間 | 11時30分~14時、17時30分~21時(オーダーストップ20時30分) |
定休日 | 毎週火曜日 |
⑤の写真(お店の方に無理をいって2枚頂きました。ここでも只見線が。)
各撮影スポット
只見駅への観光客の中には、只見線の撮影を目的とされている方も多いはず。
そのため、只見線の絶景ポイントはほぼ撮影ポイントとして挙げられます。
特に「只見川第一橋梁」は世界の観光客の中でも有名な撮影ポイントです。
只見線の絶景撮影スポットについては次にご紹介します。
只見線の撮り鉄的な撮影スポットめぐり
鉄道好きの私が只見線の一番の楽しみ方として挙げたいのは、やはり撮影スポットをめぐり美しい景色と列車を撮影することです。
今回代表的な只見線の撮影スポットの第一只見川橋梁展望台だけではなく、私が只見線で足を運んだ撮影スポットの全てをご紹介していきます。
もちろん立ち寄った美味しいグルメなども!
只見線の撮影スポット①第一只見川橋梁展望台(会津桧原~会津西方)
まずは全国の鉄道写真でも屈指の知名度を誇る「只見川第一橋梁」
有名なアングルですが、それほど人々の旅愁を感じさせるほどの絶景です。
線路の反対側からの撮影も美しいですよ。
道の駅「尾瀬街道みしま宿」
只見川第一橋梁近くにある、道の駅「尾瀬街道みしま宿」の紹介もしますね。
この道の駅は会津若松から車では約40分程度になります。
駐車場もあるので車で行った際はここで車を停めて徒歩での移動になります。
また、この道の駅にはレストランやお土産コーナーもあります。
もし、ここに行かれた際はぜひ会津地鶏を使ったカレーや唐揚げ定食、デザートは会津地方名産である「桐炭」を使用した桐炭チョコソフトクリームを一度食べてみて下さい。
黒いソフトクリームはなかなかインパクトありますがとっても美味しいです。
またここでお土産の中でおすすめなのは「みそのかくれんぼ」と「ゆべし」。
「みそのかくれんぼ」は、シソの葉に甘辛い味噌が包まれているものです。
甘辛い味噌とあっさりとしたシソの葉との相性は抜群です。
これはおつまみにぴったりですね。
次に「ゆべし」ですが、漢字で書くと柚餅子となります。
もともとは中世の保存食や携帯食が始まりとされて、それがいつの間にかお菓子のポジションへ定着し、今では全国で食べる事ができます。
ここで売られているゆべしの特徴として表面に白い粉が降りかかっており、これは餅粉のようです。
また他の地方、特に東北地方で売られているゆべしとの違いとして、ややもっちりとした食感でしょう。
以前、郡山と盛岡で食べたゆべしは柔らかい食感で、同じ東北地方でも微妙に差異があるのも面白いですね。
ここでは他にもくるみゆべしもあります。
一度ご賞味あれ!
只見線の撮影スポット②みやしたアーチ三兄弟(会津西方~会津宮下)
次に紹介するのは「みやしたアーチ三兄弟」です。
全国的にも珍しい光景です。
只見線の撮影スポット③(会津宮下~早戸)
只見川に沿って走る列車も絵になります。
只見川の穏やかさがなんとも言えません。
只見線の撮影スポット④只見川第三橋梁(会津宮下~早戸)
次に紹介するのは只見川第三橋梁です。
ここは先ほど紹介した只見川第一橋梁から少し只見方面に移動した所になります。
只見線の撮影スポット⑤只見川第三橋梁(反対側)
第三橋梁も反対側からの撮影が可能です。
そのほかにも
- 早戸駅
- 不動沢トンネル(早戸~会津水沼)
- 只見川第四橋梁(会津中川~会津水沼)
- かねやまふれあい広場(会津川口~会津中川)
- 尻吹峠(会津川口~会津中川)
- 会津川口駅
- 只見~大白川
- 只見~大白川
- 越後須原~魚沼田中
がおすすめです。
詳しい撮影スポットの記事はこちら
まとめ
2022年10月1日に全線復旧する只見線、外国人観光客も多く世界的にも注目されている路線です。
見るもよし、乗ってもよし、この機会に只見線に乗ってみて、沿線の素晴らしさを実際に体験してみてはいかがでしょうか。
コメント